日本人に多い頭痛は主に三つ
頭痛とひと口に言っても、原因や症状は人それぞれです。日本頭痛学会の資料によると、一次性頭痛と呼ばれる慢性の頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の三つがあります。それぞれ特徴が異なり、対処法も変わってきます。
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが片側に現れることが多く、吐き気や光・音に過敏になる症状を伴います。月経前後の女性に多いのも特徴で、ホルモンバランスが関わっていると考えられています。一方、緊張型頭痛は、肩こりや目の疲れがきっかけで後頭部から首にかけて重だるい痛みが出るタイプです。デスクワーク中心の生活やスマートフォンの長時間使用で増える傾向があります。
群発頭痛は、目の奥がえぐられるような激しい痛みが数週間から数ヶ月続くもので、男性に多く見られます。頻度は少ないものの、痛みの強さは日常生活を完全に奪うレベルです。
さらに注意したいのが、薬の使いすぎによる頭痛です。市販の鎮痛薬を毎日のように飲んでいると、かえって頭痛が慢性化することがあります。日本頭痛学会では薬物乱用頭痛として注意を呼びかけています。
頭痛外来とオンライン診療の使い分け
「市販薬で治まらない」「頭痛で仕事や家事に支障が出る」と感じたら、頭痛外来の受診を検討しましょう。日本には頭痛学会が認定する頭痛専門医が各都道府県に配置されており、脳神経内科や脳神経外科を中心に診療を行っています。専門医による診察では、頭痛ダイアリーを使いながら発作の頻度や強度を記録し、適切な治療方針を決めていきます。
近年はオンライン診療も広がっています。頭痛専門外来を設けるクリニックでは、初診からオンラインで対応するケースも増えました。通院が難しい方や、仕事の合間に受診したい方には便利な選択肢です。オンライン診療では保険診療が適用され、初診の診察料は3割負担で1,000円前後、システム利用料が別途かかるのが一般的です。薬局での薬代は別になります。
下表に、主な受診方法の特徴をまとめました。
| 受診方法 | 例 | 診察時間の目安 | 費用の目安(3割負担) | こんな人におすすめ | 注意点 |
|---|
| 頭痛外来(対面) | 大学病院、脳神経外科クリニック | 初診20〜30分 | 初診料1,000円〜2,000円程度 | 画像検査を含めて詳しく調べたい人 | 予約待ちが発生しやすい |
| オンライン診療 | 頭痛専門外来を設けるオンライン対応クリニック | 初診20〜30分、再診10〜15分 | 初診約1,000円+システム利用料 | 通院が難しい人、忙しい人 | 対面より検査が限られる |
| かかりつけ医 | 内科、ペインクリニック | 再診5〜10分 | 再診料500円程度 | まず相談したい人 | 専門医への紹介状が必要な場合がある |
片頭痛の最新治療と予防の考え方
片頭痛の治療は、大きく「発作が起きたときの治療」と「発作を予防する治療」に分けられます。発作時には、トリプタン製剤や鎮痛薬を使いますが、月に数回以上使う場合は予防療法の対象になります。
予防療法として近年注目されているのが、CGRP関連抗体薬による注射治療です。月に1回または数ヶ月に1回の注射で、発作の頻度や強度を下げることが期待できます。日本ではこの治療が広く行われており、鎮痛薬の使用回数を減らすことを目標に据える医療機関も増えています。ただし、患者さんの状態によって適応や選択肢は異なるため、頭痛専門医との相談が欠かせません。
予防の基本は生活習慣の見直しです。睡眠時間の確保、カフェインの取りすぎを避ける、空腹を我慢しない、ストレスを溜め込まない。これらはどれも当たり前のようで、実は頭痛の頻度に大きく影響します。トリガー(誘因)は人によって違うため、頭痛ダイアリーをつけて自分のパターンを見つけることが近道になります。
市販薬との付き合い方
薬局で買える市販の鎮痛薬も、使い方次第では頼りになります。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの成分は、片頭痛や緊張型頭痛の初期対応として一定の効果があります。ただし、目安としては月に10日以上の服用は避けたいところです。薬の使いすぎによる頭痛を防ぐためにも、服用の記録をつける習慣をつけましょう。
また、頭痛が続く中で「いつもと違う痛み」を感じたら、早めに医療機関を受診してください。急に激しい頭痛が起きた場合や、手足のしびれ、言葉の不自由さを伴う場合は、くも膜下出血や脳卒中などの可能性があります。このような二次性頭痛の鑑別は、頭痛専門医の役割の一つです。
地域の医療資源を活用する
日本では、日本頭痛学会のウェブサイトで認定頭痛専門医の一覧を都道府県ごとに確認できます。北海道から沖縄まで、各エリアに専門医がいるため、お住まいの地域で探してみるとよいでしょう。一部のクリニックはオンライン診療に対応しており、初診から受け付けている施設もあります。
頭痛は「我慢するもの」ではなくなりました。治療法の選択肢が増え、日常生活への影響を減らせる時代です。まずは自分の頭痛のタイプを知ることから始めてみませんか。かかりつけ医でも、専門外来でも、オンラインでも。相談のきっかけは何であれ、一歩踏み出すことで頭痛との付き合い方は確実に変わります。