片頭痛と緊張型頭痛、あなたの頭痛はどちら?
頭痛には大きく分けて、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3種類があります。それぞれ症状や対処法が異なるため、まずは自分の頭痛のタイプを知ることが大切です。
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが片側に現れることが多く、吐き気や光・音・匂いに対する敏感さを伴います。痛みが出る前に、視界にギザギザした光が見える「閃輝暗点」を経験する方もいます。片頭痛の発作は4時間から72時間続くことがあり、日常生活に大きな支障をきたします。
緊張型頭痛は、頭全体がギューッと締め付けられるような痛みが特徴で、肩や首のこりを伴うことが多いのが特徴です。痛みは軽度から中等度で、動いても悪化しないことが多く、市販の鎮痛薬で対処できるケースも少なくありません。
群発頭痛は、目の奥がえぐられるような激しい痛みが片側に起こり、1〜2ヶ月間ほぼ毎日同じ時間に発作が現れるのが特徴です。頻度は少ないものの、痛みの強さは非常に激しく、早期の専門医受診が欠かせません。
自分の頭痛のタイプを判断する目安として、頭痛ダイアリー(頭痛日記)をつけることをおすすめします。痛みの場所、程度、時間帯、誘因となった出来事を記録しておくと、医師の診断がスムーズになります。
頭痛外来と専門医の探し方
日本では、頭痛を専門に診る「頭痛外来」が全国の主要都市にあります。日本頭痛学会が認定する「頭痛専門医」は、片頭痛や群発頭痛など難治性の頭痛に対して専門的な診断と治療を行います。
頭痛外来では、問診に加えてMRIやCTなどの画像検査を行い、脳腫瘍やくも膜下出血など危険な病気が隠れていないかを確認します。特に「今までにない激しい頭痛」「突然始まった頭痛」「発熱や意識障害を伴う頭痛」がある場合は、早急な受診が必要です。
病院選びのポイントは、まず日本頭痛学会のホームページで頭痛専門医のいる医療機関を検索することです。お住まいの地域で「頭痛外来 ○○県」と検索すれば、近隣の対応医療機関が見つかります。かかりつけ医に相談して紹介状を書いてもらう方法もあります。
治療の選択肢:市販薬から予防療法まで
頭痛の治療は、発作が起きたときに対処する「急性期治療」と、発作そのものを減らす「予防療法」の2本柱で進められます。
急性期治療では、市販のイブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が用いられます。ただし、市販薬の使いすぎには注意が必要です。月に10日以上鎮痛薬を使用すると「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性があり、かえって頭痛が悪化することがあります。
病院で処方される急性期治療薬としては、トリプタン製剤が代表的です。片頭痛の発作時に服用することで、痛みの原因となる血管の拡張や炎症を抑えます。近年では、CGRP関連薬と呼ばれる新しいタイプの薬も登場し、トリプタン製剤で効果が不十分だった方にも選択肢が広がっています。
予防療法は、月に4回以上頭痛がある方や、急性期治療薬が効きにくい方に検討されます。予防薬を毎日服用することで、発作の頻度や強さを減らすことができます。抗てんかん薬やカルシウム拮抗薬に加え、CGRP関連の予防薬も保険診療で使用できるようになっています。
以下の表に、主な治療選択肢をまとめました。
| 治療カテゴリー | 代表的な方法 | 費用感の目安 | こんな方におすすめ | メリット | 注意点 |
|---|
| 市販薬 | イブプロフェン、ロキソプロフェン等 | 数百円〜1,000円程度 | 軽度の頭痛が時々ある方 | 薬局ですぐ購入できる | 使いすぎによる薬物乱用頭痛のリスク |
| 処方薬(急性期) | トリプタン製剤、NSAIDs | 保険診療のため自己負担は3割 | 片頭痛の発作が強い方 | 痛みの原因に直接作用する | 服用タイミングが重要 |
| 処方薬(予防) | CGRP関連薬、抗てんかん薬等 | 保険診療のため自己負担は3割 | 月4回以上頭痛がある方 | 発作の頻度を減らせる | 毎日服用の継続が必要 |
| 非薬物療法 | ボトックス療法、鍼灸、整体 | 施術により異なる | 薬の副作用が気になる方 | 体への負担が少ない | 効果に個人差がある |
費用については、市販薬は製品によって異なります。処方薬は健康保険の自己負担割合(一般的に3割)に応じた金額となるため、診察の際に医師や薬剤師へ確認することをおすすめします。
日常生活でできる頭痛対策
頭痛の予防には、薬物療法だけでなく生活習慣の見直しも欠かせません。日本人に多い「我慢」の習慣を手放し、自分の体の声に耳を傾けることから始めましょう。
睡眠は、毎日同じ時間に起き、就寝時間もできるだけ一定に保つことが大切です。休日に寝だめをすると、かえって頭痛の誘因になることがあります。就寝前のスマートフォン使用を控え、カフェインの摂取は午後2時までに済ませるのがおすすめです。
食事では、チーズ、チョコレート、赤ワイン、加工肉などに含まれるチラミンや亜硝酸塩が片頭痛の誘因となることがあります。また、空腹による低血糖も頭痛を引き起こすため、食事を抜かずに規則正しくとりましょう。
運動は、ウォーキングやヨガなど、無理のない有酸素運動を週に2〜3回行うと、頭痛の頻度を減らす効果が期待できます。ただし、激しい運動は逆に頭痛を誘発することがあるため、自分のペースを守ることが重要です。
職場や家庭での環境調整も効果的です。パソコン作業が長い方は、1時間に一度は目を休め、画面の明るさを調整しましょう。エアコンの冷気による首や肩の冷えも頭痛の原因になるため、ストールやカーディガンで調整するとよいでしょう。
頭痛に悩んだら、まずは専門医へ
頭痛は我慢するものではなく、適切に治療できるものです。市販薬を月に10日以上使っている方、頭痛で仕事や家事に支障が出ている方は、一度頭痛外来を受診してみてください。
診察の際は、頭痛ダイアリーを持参し、症状や頻度、市販薬の使用状況を伝えると、より正確な診断につながります。日本全国の頭痛専門医がいる医療機関は、日本頭痛学会のウェブサイトで検索できます。お近くの頭痛外来を探して、まずは相談から始めてみませんか。